ついに最終回。
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今まで、SORとSOEの違いやどうシステムを作るのか、といった話をしてきました。長々とお付き合い、ありがとうございました。
最終回は、じゃあどうやったら、そういうサービスを考え、システムを作り、ビジネスとしてなりたたせる、そんな人材になれるのか。それを私なりの解釈でお話しできればと思います。
端的に言えば、スタートアップ企業の社長になるしかありません。(笑
何かを仕入れ、作り、売り、儲けを記録する。その一連の流れを把握しない限り、ちょっとそんな人材作れないんじゃないかと思います。
なので、やはり自分が経営者になるしかないと思うんです。副業とかでもいいですが。
ハンドメイドでもいいと思いますし、自分の経験でコンサルするのでも良い。とにかく商いを一つやってみる。
そうすると、嗅覚というか勘所というかそういったものが身につく。
とはいえ、いきなり自営業始めるって難しくない?そもそも雇われだし、そんな時間あるの?リスク高いよ、無理無理。
うん、私もそう思うんです。(笑
で、じゃあ次善の手って何があるかなぁと考えたのですが、作る(または仕入れる)事から売り、お金を回収するところまで全部体験して学ぶ事なんじゃないかなぁと。一つの会社で学んでもいいですが、なかなか人事な事なので、かなり恣意的に進めないと難しいです。そうなると、もう、この際アルバイトでもして学んでもいいんじゃないかなと。
ただ、これにも弱点があってですね。スーパー時間がかかる事と、主力事業がある会社ならまだしも、これから新規事業起こそうって段階だと経験のしようがない。さらにはアルバイトでも〜と書きましたが、アルバイトにそんな経験をさせる企業が多分いない。
ちなみにここでいう経験ってただ単にラインに立って実際に物を作るってことではなくて、お金が物に変わり、またさらにお金に変わるという計数管理の話なので、ただ漫然とアルバイトしてりゃあいいってもんでもないんです。
じゃあ、ただ単に数字を集めて眺めてりゃいいのかってことでもなくて。
お金→物(仕入れ、仕掛かり)→加工(工数付加)→物(製品)→お金→仕訳
に流れていくので、ものを見たらお金に変えて、お金を見たら物に変える。そんなセンスを身につけるための経験になります。で、物だったらまだましなんですが、サービスになるとそもそも無形になるのでサービスを有形のナニガシカに見せ方を変えるってセンスも要ります。
一言で言うと、カオス。
このセンスを磨こうとすると、大企業はかなり難しいです。知る前に定年が来る。人が多い分、その中に入り込んで実務やりながらこれを学ぶと言うのはそんな人材に育てるんだと強い意志を持って人材育成しないと大変だと思います。それこそ、雇用の自由を奪う契約じゃないと。
ジャストアイデアですが、大企業でもできないことはないと思うのですが……ただ、それは理想すぎて無理かなぁ。理想的にはティール組織的な上も下もなく、かつ8人で一チームにすればできなくもない……はず、多分。
ただ、こう言う働き方をしようとするとそれに乗れない人も出ます。そういう方はノードになってもらうしかないので、人間性を捨てて働いていただく形になります。まさしく、替えがきく人材として。
ノードと例えたのは意味があります。ノード、つまり通信における接続装置ですが、要はSoRやSoEとダイレクトに接続させられないが故にそこに接続装置として存在するという事です。
例えば、経理システムに数字を打ち込む行為は請求書や領収証という紙で届けられたナニガシカの値をシステムで処理できるように変換している行為と考えられます。要は、紙というシステムでは食えない通信手段をシステムに食わせるための変換とデータ接続の役割を果たしています。故にノードと、そういう事です。
いや、わかりやすいと思ったので例にしましたが、この仕事そのものを揶揄したいわけではありませんので誤解なく。
なので、「仕事をする」という意味では1サービス8人で良く、ノードを含めれば8人にこだわる必要はありません。
これを極言すれば、「仕事をする」をexecutionと読み替えるとピンと来るかと思います。
執行役員は8名以下であるべきで、それ以下の人は全てノードです。
ふむ、と考えると、やっぱりそういう人材になるためには、自分が社長やるしかないってことですよ。とはいえ、家族や自分の飯を食うってのも大切なので、やっぱり複業、になるんでしょうね。
最近、Microsoft社が週4日勤務に変更しましたが、アレもこのロジックで考えると面白いですね。要は1日自分のために働いて良いって事ですから。
でも、そんなに社長になれる人は早々いません。そうなると、複数人、各々のスペシャリストが信頼しあってマイクロサービスを考えるべく、ワイガヤする。
難しいですねぇ。コードをかけつつ、サービスを考える人材。
コードを書くという特殊技能は、いずれローコード化が進みもっと万人にウケるものに変化するとしても、マイクロサービスを想起することのできる人材を作るために、サービスを考えるのではなく、サービスに分解できる人材が求められる。どういう学びを繰り返せばそういう人間になれるのか。
少なくとも漫然と生きていては達成できないような気がします。
まとめます。
今の世の中SoRとSoEを意識したシステムを作る必要があります。SoRとSoEは各々疎結合であるべきで、そうするために開発部隊はビジネス側のしたいことをより細かく小さいサービス単位に分解してシステムとしてなりたたせる必要があります。そして、その細分化された各種サービスを組み合わせて一つのシステムとして成立させるためには、物事をお金という数字に読み替えて、川のように流すこと。留まらず、滞留せずにストーンと流す。
そんな流れを実現することを意識してマイクロサービスに分解するってことをできる人材になりたいなら、自分でやってみるしかない。
ということかな。さて、そうと決まれば、私は何を提供できるんだろうか?
このような流水化される仕組みを実現すると可視化が進みます。嘘やごまかしが存在しない値になる事で、どう見せるかという議論だけになります。要は、よく言われるダッシュボードになります。
因みに、蛇足ですが、なぜここまでお金にこだわるかというと、今まで述べてきた通り、それが最終的に企業の決算にハネるからです。そして、お金はお客様からの支持の証になるためです。
どれだけお客様から支持を得たのか。それを確認する手段がお金である。と言うことです。