なにしてみよっか

サービスってなんだろな?を細々と。基本マニアックなネタが多いです。トヨタ生産方式を信奉してます。某製造業の営業と社内SEをやってました。

読了:図解即戦力 ITIL4の知識と実践がこれ1冊でしっかりわかる教科書

ご無沙汰しております。本日は読書感想文兼はてなブログ今週のお題「最近読んでるもの」との抱き合わせ。

 

そもそもなのですが、この技術評論社の「図解即戦力」シリーズにITIL4が取り上げられたことが本当にありがたい。

帯の「デジタル・VUCA時代を生き抜く」。そんなに大それたことかなぁと思う部分もあるのですが、まぁ、間違ったことは書いてませんよね。近年個人でどんどん定量化できる領域が拡大していっています。

例えば、筆者が個人的にデジタル化目覚ましいなぁと思う領域はヘルスケア領域ですかね。ウェアラブルバイスが一気に拡大し、ヘルスケアの領域はどんどんデジタル化していってます。正確に言えば、デジタル技術による定量化とそれに伴う健康への動機づけ、になるかと思いますが。

筆者はApple Watchを愛用していますが、これによって得られたヘルスケアのデータは非常に自身の健康維持改善に役立っています。会社の健康診断で優良の結果が出たのはこれら定量化された自身のデータ短いスプリントで振り返りKPTを繰り返した結果だと思っています。おっと、Agileの話になってしまいました。このAgile開発のテクニックを使った健康管理はこれはこれでおもしろいので別でいつか書くかも。

閑話休題

この本の最大の特徴は、わかりやすいではなく「適用しやすい」「腹落ちしやすい」ことにあります。その秘訣は、とにかく豊富な実例。ITIL4、特にファウンデーションは基礎理論であり概念的な説明や図式が非常に多く、「言いたいことはわかるけど、それって結局どう適用すれば良いの?」という感想を持つことが多いです。筆者も御多分に洩れずそのクチです。それを少しでも腹落ちさせるためにこのブログを始めました。

その点、この本は概念的な理解を促す説明とともに、読者にとって親和性の高い具体例をつけてくれています。例えば、ITIL4の最上位概念である4つの側面と6つの(外的)要因の図。

4つの側面と6つの要因

これなんかまさしく「言いたいことはわかるけど、それって結局どう適用すれば良いの?」の最たるものだと思うのですが、この本では、概念レベルでの理解を促すと同時に、具体的な事例を交えて説明してくれています。

そして同様な理解に陥りやすい「7つの原則」「SVS(サービス・バリュー・システム)」「SVC(サービス・バリュー・チェーン)」「バリュー・ストリーム」「プラクティス」「カスタマージャーニー」といった概念やフレームワークについて、(おそらく著者の経験に基づく)具体的な実例を交えて解説されています。

正直、「ITILって何?」「ITSMに取り組みたいけど何から手をつければ良いかわからない」というレベル感の人には不適であると言わざるを得ません。そもそもそういった読者を対象としていないと思います。そういうこれから学ぶ方には、個人的に「黄色本(なぜか黄色ばっかりなので)」と呼んでいる翔泳社ITIL系の本がオススメです。また、「ITIL4の教本」は、2023年11月現在Kindle Unlimited対象になっていますので、今がおすすめかもしれない。

 

 

 

お金に余裕がある、または会社が補助してくれる場合は、ちゃんと有償の講義を受けましょう。(笑)

さて、そうやってちゃんと勉強した後、この本は副読本として本質的な理解を促してくれます。試験対策には向きませんが、ファウンデーション試験を突破した後、より実践的に理解し適用させていく時にこの本は必ず役立ってくれると思います。

 

 

最後に、、、なぜかITIL4のAxelos公式認定本は紫ばっかりなのはなんでなんで・・・と書いていて、自分もなぜか紫を多用していることに気がつきました。(笑)

おそらく、ITIL4のイメージカラーが紫だからなのでしょうね。公式そのものが紫を多用しているので、我々実務者も自然とその色を選択してしまうのかw

ITILv2時代は赤本青本と呼ばれていましたが、ITIL4からは非公式の黄色本、公式の紫本、なんて呼び名が定着するのかなぁ。