なにしてみよっか

サービスってなんだろな?を細々と。基本マニアックなネタが多いです。トヨタ生産方式を信奉してます。某製造業の営業と社内SEをやってました。

ITSMツールで可視化する内容を何にするか。(2/2)

こんにちは。前回、ITSMツールはサービス提供状況を可視化するものである。

そして、サービス提供状況とは、サービスのQ(quality/品質)、C(Cost/コスト・ほぼ時間)、D(Deliverables/数)の3つで分解することができる。

最後にそれら3つの断面でサービス提供状況を可視化する(目的を持って定義し振り返る)ようにすることがITSMツールの要件である、というお話をしました。

 

さて、本日はその要件とはなんぞや、というお話ができればなと思います。

まず、ITSMツールとして具体的な製品名を挙げてみましょう。おそらく、人によってこれはITSMツールではないと思うものもあるはずですが、筆者の実体験も含めて記載します。(全て触ったことがあるわけではないです。いくつかは聞いただけのものもあります。)

Service Now / HPSM / Jira / Redmine / Remedy force / 千手 / Backlog / Notes(IBM)

ちらっとみて思われるでしょうか?システム運用管理ツールやプロジェクト管理ツールと呼ばれるものが混ざっています。実は、システム運用管理ツールやプロジェクト管理ツールを拡張し、「サービス提供状況の可視化」の観点で使いこなす。これがITSMツールの使い方です。

そして、このツールは、主に2つの「道具」で可視化を助けます。

具体的には、「作業制御フロー」または「(ビジネス)サービス制御フロー」と「チケット」です。正確に言えばフローそのものが重要というより、ビジネスプロセスを構成する作業制御フローやビジネスサービス制御フローになります。

そのため、図にすると下記になります。(図1:可視化の3要素とツールの関係性)

 

図1:可視化の3要素とツールの関係性

この提供状況の3要素とツールとのマトリックスの中に、要件が入ってきます。

一つの事例として、自分ならどのような要求・要件を定義するかを考えました。(図2:サービスQCDと要求・要件定義)

図2:サービスQCDと要求・要件定義

このようにQCDの観点でツールに要求・要件を決めることができます。この時、最も重要なのは、「何を達成したいか」をQCDで考え抜くということです。

そこからさらに、どのような設計を行わなければいけないか、基本設計の手前、設計方針的なものを考えてみました。(図3:サービスQCDで考える設計方針)

図3:サービスQCDで考える設計方針

サービス管理(サービスマネジメント)に何を求めるかによる部分はあるのですが、一般的な事例で考えましたので、優良可で言えば(今の大学はこういう評価しないんですかね?)、まぁ、良の中程〜可の上の間ぐらいは狙えると思います。どのような企業体であれ、最終的には定量的な指標(売上や粗利益、純利益)に集約されます。したがって、利益の成り立ちを分解するという文脈から外れない限りにおいて、このQCDベースでのツールへの要求要件定義は大きく外れないかなと。

 

毎度毎度恐縮ですが、あくまで「解」ではなく「自分の解を編み出すための処方箋」として本稿も使っていただけますと幸いです。

 

ちょっと話がそれますが、BL/PLにせよ決算にせよ、「お金をどう使ったか」に着目するのではなく、「(お金を含む)資本をどう使ったか」という観点で眺めると、「人的資本」に関して定量的な数値があまりないんだなぁと気が付かされます。最近はSDGsなどの進展もあり、「社員がどう働いているか」を定量化して決算報告に載せる企業も増えてきましたが、この場合、株を買わないとその報告に辿り着けず、投資するかしないかを選ぶという観点では、もったいないなぁと。そんなことを思います。