なにしてみよっか

サービスってなんだろな?を細々と。基本マニアックなネタが多いです。トヨタ生産方式を信奉してます。某製造業の営業と社内SEをやってました。

ITSM(Information Technology Service Management)は何ができるのか?(2/2)

かなり時間が経ってしまいました。

ご無沙汰しています。

 

前回、ITSMは「一定のサービスの塊において、消費者に最大の価値を最小の労力で提供し続けることができるようにする」フレームワークを扱うお仕事、と説明しました。

 

そして、言葉ひとつひとつを定義する、ことが必要というお話をしました。

この定義、ということが実は非常にITSMでは重要なのです。

 

実は、この定義というものは、ITSMに限らず、すべてのお仕事においてとにかく重要だと個人的には思っているのですが、ことITSMにおいては、この定義するということを実務を担う担当者に対して強く求めているといって過言ではないと思います。

というか、他人と、もっというと自分以外とコラボレーションし何かを作っていくという過程において、この定義が最も重要だと思うのですが、話が本筋から逸れますので、これは別でご説明できればと思います。

 

閑話休題

 

ITSMは、「一定のサービスの塊において、消費者に最大の価値を最小の労力で提供し続けることができるようにする」だけであって、実は何も生み出しません。(笑)

これは個人的な考え(つまり、個人の見解であり所属組織とは…以下略)ですが、ITSMは、産み出すことを助けるお仕事であってサービスを生産することはできないのです。

ITSMは、サービスを産み出したい人/組織と、サービスを産み出す能力を持つ人/組織と、サービスを利用したいと思う人/組織とをつなぐための道具だというのが私の理解です。

そして、それぞれの人や組織にはその投資や消費を適正か否か判断する役割の人がいて(つまりはITIL4で言うところのスポンサ、またはPMBOKで言うところのステークホルダ)、彼らにも説明する必要がある。それゆえに、最終的なメジャメントの指標として、最終的にはお金の表現に集約されていく。つまり、上級管理者、経営に近くなればなるほど、究極的にシンプルに「でそれっていくらの効果を生むの?」に集約されていく。

ITSMは、生み出したい組織と、生み出せる組織と、使いたい組織を繋ぎ、スムースにサービスを産み出し、使い、フィードバックループを返すことを助けます。(4つのPのうち、プロセスを除く3つに言及しています)

その手段が可視化であり、プロセスであり、そのプロセスが既存のルールと衝突しないよう、スムースさを阻害しないように気を配る必要がある(4つのPのうち、プロセスについて言及し、6つの側面について言及しています)と言うことなんです。

 

じゃあ、どう(How)気を配るのかってのは言及していません。それらはプラクティスとして実践する中に散りばめられていますし、それこそが各ITSMの実務者が自らの立場や経験の中で編み出していくものだと言う理解をしています。

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少し話が脱線しますが

私は前職(サービスを産み出したいユーザ企業とサービスを使いたいユーザの立場)を飛び出し、パートナー企業(サービスを産み出す能力を持つ人の立場)への道を進みました。サービスを提供すると言う点での対岸に移って向こう岸を見つめて分かったことは、私の想像していた以上にサービスを産み出したいユーザ企業の立場でITSMを使う人がいないと言うことです。ITSMの力である「立場の違いを超えて繋ぐ」ことを生かしきるためには、「サービスを産み出したい人」がイニシアティブを持って(強引と言うことではなく、責任と誠意を持って全てに対して臨むと言うことなのですが)推進しなければいけませんがそれができていない。かと思えば、サービスを作れる人達に対して、「仕事を回してやっている」という態度で臨む。それでDXが成功すると思っているのであれば、片腹痛い。

脱線終わり

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ITSMは、何ができるのか。

それは、サービスを中心に置いたときに、サービスに関わるすべてのステークホルダーを(ここには消費者をも含むのです!)把握し、繋ぎ、流水のような流れを作り出すことにあります。

ちょっと格好をつけて言えば、サービスに関わるすべての方を愛し、繋ぐことにあると言えます。そのために、6つの側面を注視し、それにより4つのPへの影響を把握し、サービスバリューチェーンで持ってステークホルダーとプラクティスをつなぐことで、サービスを必要な人tに必要なだけ届けることを可能にする。そこに余分なコストがかかるムリ・ムダ・ムラを取り除き(つまりはリファクタリング)、常に流水化をし続ける、要するに継続的改善ですね。

これを支えることがITSMの真髄であり、実務者が担うことです。

 

このような仕事を一つでもこなすことが、日本のためになると信じています。

 

どうですか、一緒に始めませんか?(笑)