価値を正しく提供しているか。これって要は、お客様の満足度を満たすことをしているか?って事なのですが、それってどう考えても難しい。
前回のみかんの例ではないですが、みかんの価値を求めるユーザーなんて、一発で分かりません。
かといって、「あなたみかん食べてますか?」なんてどうやって聞けばいいんでしょう。
聴き方も難しいです。
「みかんって健康にいいんです、食べてみませんか?」
「みかんは手軽に水分や糖質、食物繊維も取れる素晴らしいフルーツです。いかがですか?」
「みかん、一週間に3つ食べてますか?」
多分、同じ人に上の質問を投げかけたら、呆れられます。何が聴きたいねんと。下手をすれば、「結局みかんが売りたいんか!」と怒られるかもしれない。
でも、この世には、同じような質問を別の切り口から投げかけても誠実に答えてくれる素晴らしい人もいます。
それは、「データ化された個人の履歴」です。
データになれば、様々な切り口から何千回質問してもデータが答えてくれます。私や、貴方は考える必要はありません。
これは、分析される側のメリットです。
要は、答える無駄を究極的に排除する。
これをやりきろうとしているのはGoogleやAmazonなんかだなと思います。
日常の生活を送るだけで、彼らは私たちのログを収集し、日々、提案してくれます。
みかんなのか、バナナなのか、はたまたケーキなのか。
その先にある、私たちの目的に純粋に提案します。
なぜそこまでするかといえば簡単です。
価値を提供することに貪欲なのです。みかんを求めたら、なぜみかんなのか?を考える。
健康でありたいのか
食物繊維を摂りたいのか
なぜなぜ?を繰り返す。
そうすることが、お客様の支持を得て、自分達が飯を食える。そんなことに純粋なのだと思います。
私のことは知らなくても、私の求めていることを知ろうと努力する。そして、そうやって知った私が「求めること」を、他の企業に先んじて提供しようとする。他の企業に先んじる、つまり、価値を届けるまでのスピードを速める。
例えばAmazon。
彼らは「価値」を届けることと「無駄を省く」事に究極的に純粋です。
例えば、Amazon prime Video。またはNetflix。
どう捉えるかは様々と思いますが、お客様は動画コンテンツを見たい時に見る。これを達成するために「DVDを運ぶプロセス」「決済するプロセス」を省いた。
どのようなコンテンツを見たいのか。ではなく、どのようなコンテンツからどのような価値を得たいのかを把握するために、アプリからフィードバックを受ける。
イイね!をクリックすることすらしない。
良いなら最後まで見るはず、悪いなら途中で停止するはず、などの仮説に基づきお客様の(アプリからの)フィードバックを得て、「あなたが真に求める価値」を知ろうとする。
定額の高速インターネット回線があるがゆえに実施可能なわけですが。
まぁ、考え方によっては、自分の求めることを表現する訓練をお客様から奪ったとも言えます。(笑
ユーザーの求める「価値」を忖度する力をNetflixやAmazonは手に入れ、それを顧客に「便利」という価値に変えて提供している。そういうことかなと。
ただ、いわゆるディスラプターと呼ばれる企業は、人の求める力をデジタルで実装し、全世界に提供するスピードで市場を席巻する。
この凄み。企業のイチ従業員として危機感が募ります。